ワシと一緒にデンタルインプラントに関する勉強をしていくぞ。
インプラントとはどんなものか、どんな治療をするのか、何が必要かなど、歯科医師の診断を受ける前に、前もってインプラントについての知識を覚えていくのじゃ。
自然界では歯を失ってしまったことで、充分な食事を取れずに、命を失ってしまう動物も多く、それほど「歯」というものは生きていく上で重要な機関なのです。
人間の場合もケアを怠ってしまったり、不慮の事故や病気で、歯を失ってしまった場合、上下の歯の噛み合いが悪くなり、食物を上手く噛むことができなくなります。それに歯の間に隙間ができてしまうため、そこから空気が漏れ、発声にさえ支障が出てしまいます。
天然の歯は、目で見える歯の部分(歯冠)と歯茎に覆われた根の部分(歯根)があり、さらにその根の部分は顎(アゴ)の骨に埋まっており、顎の骨にシッカリと歯根が固定されています。
そのため健康な歯の場合はグラついたり抜けたりすることはありません。
人間は、失った歯を人工的に補う試みを、はるか昔から行ってきました。 紀元前2世紀~3世紀の古代ローマ時代の人骨から、すでに鉄製のインプラントが埋め込まれているものが発見されており、この頃からすでにインプラント治療が試みられていたことを示している。
5世紀のマヤ文明の遺跡からは、天然の歯と貝を使ったインプラントが使われた人骨が発見されており、そのインプラントに歯石が付着していることから、長期に渡り機能していたことがわかる。これが世界で最初に実用に耐えたインプラントだと考えられている。
日本でも16世紀の木製の総義歯が残っており、義歯のすり減り具合からすると、長期間使用していたと推測されている。
現代では、入れ歯や義歯、ブリッジといった治療を行うことが一般的でした。ですが、それらの方法では、義歯を完全に固定できないため、十分な咀嚼(そしゃく‐【食物をかみ砕くこと。】)ができず、食生活に影響がでてしまいます。それに、完全に固定ができないため、上下の歯の噛み合いも悪く、歯と歯の間に隙間ができてしまい、うまく発音できないなど、多くの問題も抱えていました。
インプラントは、入れ歯やブリッジとは全く異なる治療方法で、顎の骨に歯根の代わりとなるチタン製のパーツを埋め込み、義歯を固定します。骨と義歯が完全に固定され、天然の歯と殆ど同じ構造になります。そのため入れ歯やブリッジと違い、本来の歯と同じ機能を持つことができます。